台風と夕焼け。

台風のなか出社。千葉方面への大事なアポがあったので、万が一のことを考えて移動を電車からレンタカーに切り替える。レンタカー屋までの徒歩5分が果てしなく感じられるほどの風雨。

そこまでして仕事しなくてもいいじゃないか、という思いが何度も湧き上がる。せっかく心身をすり減らしてハードワークするのなら、誰のために働くのかよくわからない組織よりも、他でもない自分のために働きたい、とこんな時に痛切に感じる。

ほうほうのていで千葉にたどり着き、とりあえずベストは尽くした、と言えるプレゼンを終え、上司と別れる。小さな別件の所用を済ませて、帰りは嵐のなかを運転して帰らなければならない(行きは理由をつけて運転してもらった)。

フロントガラスを勢いよく雨粒が叩きつける。横風は容赦なく車を揺らす。ハンドルにつかまりながら、横転しないだろうかと震え、いくつもの橋を越える。東京の街に降りる頃になってようやく、風雨はいくぶん弱くなってきた。

晴れ間が覗いて綺麗な夕方の空になった。生きていれば、悪いこともあれば良いこともある、と思い知る夕焼けだ。