閉じ方。

先週末の旅行では、普段なかなか行くことのない山道を走り続けた。かろうじて舗装されており、車一台がやっとすれ違うことのできるような道だ。10キロ以上人家のない区間もあった。

日本に限った話ではないが、このような人里離れたところに道を敷く労力やコストは相当なものだろうな、と思いながら山道を走った。もともとは古くからある街道だったのかもしれないが、トンネルを掘ったり、川に橋を通したりするのはそれだけで家が何軒も建つコストがかかる話だ。

そう考えるとやはり、田舎にまで一定レベルのインフラが行き渡っていることには少なくないコストがかかっていることを再認識させられる。国家のおサイフが小さくなってきているいま、過疎地域をあえて「捨てる」選択も取らざるを得なくなってくることも充分考えられる。そういう面では、東京一極集中のメリットもある。

なにか特段の魅力のある地域でもなければ、国家財政が豊かだった時代のストックをうまくメンテナンスしつつ、緩やかに閉じていくのが過疎地域のあり方なのだろうな、と思う。