土地の「気」。

久しぶりに表参道を歩く。交差点から原宿に向かう通りを歩くのはすこぶる気持ちが良い。この通りは、神宮前の交差点を谷として、ゆるやかなアップダウンになるが、明治神宮から神々しい「気」が溢れ出して、うねりを生み出しながら泉のように通りの上を流れていくのを感じる。原宿に向かって歩くと、向かってくる流れに身体が包まれるような感覚に陥る。原宿駅に着く頃には、邪気や悩みが削ぎ落とされていき、脳がリフレッシュしている。

表参道ほどわかりやすいものでなくとも、その土地が持っている「気」というのがある。その「気」を見定めて、自分が気持ち良い、と思える場所で暮らすことが、日々の生活をより良いものにするのだと思う。それは言葉では説明のつかない次元の感覚であり、利便性や地価といった定量的なものさしでは測れないものだ。

人間1人の力には限りがあれども、自然や「気」の力を味方につければ、自分の限界を超えた力を発揮できることがある。うまく周りから力をもらえるように、意識して生きていると、もっと楽に生きられるのだと思う。