おもてうら。

仕事の場での僕は、面倒くさがりで細かいところが抜けているのは相変わらず治らないものの、基本的に物腰柔らかでいつもニコニコしている(と自覚している)。イライラするようなことがあっても、表には出さないように一応は心掛けている(それでも出てしまっているかもしれないが)。

しかしながら実のところは、そんな表の面とは逆の、邪悪な心や破壊願望を腹の中に隠し持っている。自分でもそれは自覚している。ごく近しい人の前では、遠慮なくその中身をぶちまけてしまうこともある。

時々、誰かに対して憎悪の念を抱いたときに、憎悪に自分の裏の部分を練りこんで相手にぶつけたい欲求に駆られる。そうすれば、どれだけ自分自身がスッキリするだろうか、と想像してみては、明日こそは実行に移そう、と心に決めて眠りにつく夜もある。今のところ実際に実行に移したのは、生涯でも片手で数えるくらいか。

いくつになっても、憎悪の念のうまい手なづけ方はわからない。人間は歳を重ねることによって本当に精神的に成長できるのか。