再生。

ホンハイ(うまく変換できない)によるシャープの買収がようやくまとまったと思いきや、新たな偶発債務が明らかになったとして、買収への調印が保留となっている。M&Aはかじったほどの知識しかないが、これだけの衆人環視の状況のなかで偶発債務を意図的に隠していたとも思えない。いったん高めの札を提示して優先交渉権を獲得しつつ、相対の交渉に入ったところであれやこれやと難癖を付けて引き下げようとする、常套手段の駆け引きと言えなくとない。

不謹慎と言われるかもしれないが、いまのシャープからはなんとも美味しそうな臭いが漂ってくる。海千山千のコンサルタント、金融ブローカーなどが、この火事場でひと仕事たくらもうと手ぐすねを引いて待っているのが想像できる。それはけしてシャープの中の人にとっても悪いものではないだろう。会社は倒れ、形を変えていくかもしれないが、中の人個人には、通常では得難い経験を残していく。山一証券長銀の破たんの時のように。

ひとつの会社が倒れることは、けして悲観すべきものではないのだと思う。