撮る人見る人。

清原和博氏の逮捕に合わせて、現役時代にクスリを融通していたという元巨人、オリックス野村貴仁氏がインタビューに応じ、彼の生活ぶりが明らかになっている。相応の活躍をおさめ、メジャーリーグにも挑戦したほどの選手であった彼が、ゴミだらけの家の中で濁った目とうまく回らない呂律で話している姿が放送されたのにはびっくりした。とともに、ただ関係者のインタビューという範疇を超えて、彼が晒し者にされているようで不快な気分になった。

ここ1週間くらい、彼が住む高知には多くのマスコミが詰めかけ、彼の生活ぶりにカメラを向けただろう。彼としても、いくばくかの取材費がもらえるのであればそれで良しと思うのかもしれない。一時は栄光に浴した人物の凋落ぶりを見たいと、数字(視聴率)は取れるのかもしれない。ただ、こうした映像を撮る人にも見る人にも(自分を含めて)、どす黒い人間の感情を感じずにはいられない。たとえばそれが、クスリを使うことに対する警告の意味があったとしてもだ。