川井貴志、という生き方。

川井貴志、今年18年目を迎えるイーグルスの投手である。今シーズン途中で不惑の年になる。現役投手では上から数えて5番目だ。キャリアの大半を先発投手として過ごしながらも、プロ通算成績は28勝35敗に過ぎない。

彼を1番よく見たのはプロ4年目、2002年の頃だ。マリーンズで、この年ばかりは中継ぎ投手として、勝ちゲームの7回を任されることが多かった。たまに先発投手を任されることもあり、のらりくらりとしたピッチングでなかなか崩れない投手だという印象が強い。

2006年、イーグルスに移籍。それからは長らく、先発投手に故障が相次いだ時期に一軍に昇格し、ローテーションの谷間を埋める役目を担った。「困った時のボブ」というあだ名も付いた。気がつけばイーグルスでも最も古参の投手になり、10年前からは想像もつかないほど、細く長くプロの世界で生きてきた。

昨年は6年ぶりに勝ち星なし。年齢的にも、今年がヤマであろう。なんとかもう一度存在感を示し、この息の長いプロ野球人生の有終の美を飾ってほしいと、切に願う。