食べ歩き。

昼間の気温が20度を超えたきょう、関西のとある観光地を歩いていたら、グレープフルーツにストローを挿したものを手に持って歩く団体客に出くわした。アジアで売られているココナツをくりぬいてストローを挿したジュースのようなものだと思われる。どこかの店で売っているのだろうか。

アジアに行けばそこかしこにカットフルーツの屋台がある。フレッシュな果物を安く買い求めて、おやつ代わりになるので重宝する。カットフルーツ以外にも様々な屋台があるので、アジアでは食べ歩きが楽しい。ひるがえって日本で文字通りの食べ歩きができるのは縁日の屋台か原宿のクレープくらいではないだろうか。ものを食べながら歩くのは行儀が悪い、という社会通念が幅を利かせている。

日本の夏も負けず劣らず暑い。そんな厳しい気候をものともせず街歩きをしようとする観光客の手にお供できるような飲食物はあるだろうか。はっきりとは言えないが、夏になれば、食品衛生法のすき間を抜き、社会通念にも耐えうるような、食べ歩きシーンにおいてブームになるものが生まれるような気配がある。

今般の訪日観光客の増加の波がもたらすインパクトは本当に多方面にわたっている。右肩上がりで成長していく時代とはこのようなものだったのかと思う。