ムスコがくれたもの。

4月の第1週、僕のFacebookのタイムラインには保育園の入園や進級といった類の投稿がいくつか流れた。そんな季節でもあるのだ。

そんな投稿を見ていると他人の子なのに切なくなる。生後6ヶ月のムスコはこの4月以降もまだ家で過ごすけれども、そう遠くない未来に親のもとを離れて過ごす時間が生まれるのだ。そうなった時に僕はどんな気持ちを抱くだろうか。

ムスコがたくさんの人の前で笑顔を見せて、周りの人を笑顔にした時に、僕はなんとも誇らしい気分になった。人の前だけでない。初めて2人っきりで家で過ごした時、初めて寝返りができた時、おでこをくっつけあって眠った時、今までに抱いたことのない言葉にし難い感情が湧き上がってきた。そしてこれからも、数え切れないタイミングで同じ感情に出会うのだろう。

それこそが、生まれてきたムスコが僕にもたらしてくれたものなのだと思う。子どもを育てるということはお金も手間もかなりかかる。ただ、ムスコが僕にもたらしてくれるものは、お金や手間では計れない類のものだ。そしてそのような類の感情を抱くことのできた人生は、たとえ苦労が多くとも、素晴らしいものだと言うことができるのだと思う。