メラビアン。

メラビアンの法則、というものがある。意思の伝達のうち、言葉が占める割合はわずかに7%で、残りの93%は視覚と聴覚、すなわち見た目や表情、声のトーンである、というものだ。

新社会人の頃、だから身だしなみをきっちりしなければならない、という名目でこの法則のことを知った。が、身だしなみよりも、表情や声のトーンの方が重要な要素である気がしてならない。そして、人を動かすことに長けているリーダーや、成果をあげられる営業パーソンはみな、93%を上手く使いこなせる人だ。

例えば、保育園の先生。保育園に通う子どもたちはまだ言葉を十分に獲得していない。それでも、声のトーンや身体全体を使って、子どもたちにどう動いてもらいたいか、意思を伝えることができる。言葉を理解しない動物とのコミュニケーションも全く同じだろう。

例えば、テレビのCM。言葉は単なる言葉ではなく、普段の話し言葉よりも大げさなアクセントや、耳に残るリズムを伴って伝えられる。言葉自体の意味よりも、BGMを含めた付随する要素が大きな意味を持つ。

言葉を操ることのできる人は、言葉自体を操っているわけではなくて、言葉以外の要素を操ることに長けているということだろう。言葉だけに頼ってコミュニケーションを改善しようとしても、本質的には意味をなさないということだ。

そう思うと、ムスコとも言葉がなくとも残りの93%でコミュニケーションできるはず。ムスコに学んで、93%の能力をもっと使える人になりたい。