育休。

子どもができたとわかった時に、必ず育児休暇を取ろうと思っていた。長い会社員人生のなかで、いったんインターバルをおいて子どもに時間を注ぐことは意義のあることだと信じていたし、これからの働き方を考えるうえで、育休という経験は必ずプラスに働くはずと思っていた。

が、結果的に育休を取らなかった。出産予定日が仕事の繁忙期と重なって現実的な段取りを考える余裕がなかったこと、ある程度自分の裁量でスケジュールを組める仕事だったので休む必要性をそこまで感じなかったこと、休暇取得による金銭面の問題、理由はいろいろとありどれが決め手とも言い難いが、事前にあれほど育休を取ろうと思っていたのに、いざその時期が近づくとその決意はあっけなく萎んでいってしまった。

男性の育休取得率は約2%、想像以上にそのハードルは高いと思う。いまのとのろ、育児休暇が取得できなくて後悔した、という気持ちはない。ただそれは、取りたいのに取れなかった悔しさを無理に封じ込めているのか、結果的にこれでよかったと思っているのか、自分でもよくわからない。制度として定着させるのが良いとも思えなくなった。実際にその立場になって経験してみて、さらにわからなくなることもあるのだなぁと思う。