引越の方程式。

隣家の建て替えが去年の秋から進んでおり、わが家の陽当たりがかなり悪くなった。以前は朝起きると窓辺に立って人間光合成を試みたくなるくらいに陽が強く射し込んでいたのが、ベランダの前に大きく壁が立ちはだかった今は正午頃になってようやく斜め前方から光が当たる程度だ。冬なので洗濯ものが乾かないということはないが、気分は良くない。

ということで引越しを選択肢に入れて、賃貸と分譲の両方を物色し始めたのだが、おしなべて高い。賃貸ですら4年前の相場感覚と比べて1割くらい高くなっている。賃貸相場はバブル以降ずっとなだらかに下がってきたはずだが、ここにきて反転しているのか。もちろん、新築で今よりも賃料の低い物件もあるが、今よりもさらに交通の便が悪くなる。

分譲は6〜7年前によくマンションを探していた頃と比べると平均して2割は上がっている。特に立地の良い物件は一瞥してあぁいいやと思ってしまうくらい高い。値崩れはしないと分かっていても、高値掴みのイメージが拭えなくて躊躇する。一方で、郊外で立地も悪い物件となると、昔と比べてもあまり価格は上がっていないように思えるが、仕様がなんとなくこじんまりとしている。建築費の高騰分をカバーするための策だろう。

買うか、新たな賃貸物件に移るか、動かないか、悩む。各自治体の子育て支援策や保育園の動向もあわせて考え出すと、方程式はさらに複雑になる。本音は次に値崩れするタイミングで分譲物件を拾いたいのだけれども、そうそうそんな日は来るだろうか。悩む。