考課。

年末、と言えば人事考課、今期のボーナスと来期年俸が通知される季節である。どちらも年に1度しかないわが社では、気もそぞろである。

夏が終わり秋が訪れる頃には、おぼろげながら今期の達成度合いが見えてくるようになり、今年はどんな評価だろうかと想像するようになってくる。フィードバックの面談の時にはあんなことを言おう、などと妄想したりもする。その頃はちょうど忙しくなるシーズンでもあり、自分のなかでもテンションが高くなって大それた主張を心に抱えがちになる。

ピークシーズンは9月でひと段落して、10月からはまた来年の3月を目指しての仕込みの時期にあなる。頭をリセットして営業しているうちに、いろいろと妄想していたことや主張はたいてい忘れてしまったり、気持ちが冷静になって、言いたかったことを再び心の片隅にしまったりしてしまう。そうして淡々とした気持ちになった頃に評価のシーズンがやってくる。

面談までは淡々と済ませてしまうのだが、その後になっていつも、あれも言っておけばよかった、主張するのを忘れていた、という後悔がやってくる。そして数週間先にある年俸とボーナスが通知されるその瞬間までにまたテンションのゲージが上がっていく。渡された紙をめくった瞬間、後悔やら安堵やら複雑な感情が入り混じるなんとも言えない気持ちは何度経験しても慣れないものだ。