緩和。

金曜の午後、ふとTwitterに目を落として、日銀追加緩和が行われたことを知った。その瞬間、自分の手の届かないところで、自分に不利益なことが進んでいくのを見るしかない、忸怩たる思いが胸を埋めていった。それはつまり、全ての金融資産を円預金でしか持たず、何のポジションも取っていないところに、不意打ちで金融緩和が行われたことで、みるみるうちにその円預金の価値が減っていくことがイメージできた、ということだ。

今回の緩和には、日銀の覚悟が伝わってきた。何としても景気を支えたい、インフレ率2%を達成したい、という強い意思が伝わってきた。しかしこの政策の出口を想像すると、暗澹たる思いにならざるを得ない。そして、少しでもその暗澹たる思いを減らすために、僕自身うまく立ち回らなけばならないし、僕の周りの人たち、この国に生きる人たちみながうまく立ち回ってほしいと願う。

10年後ないし15年後には、1ドル200円台になり、消費税率は20%を超えているだろう。インフレ率はどうなっているか予想できない。10%未満でコントロールできれば御の字だ。そんな未来に備えて、どう立ち回るべきだろうか。

いまの国家財政のツケは僕らと僕らより下の世代が払うものだと思っていた。しかしいまのリタイア世代も当然逃げ切れず、それどころかうまく立ち回る力を失ってしまえば、最もダメージを受ける世代なのだということがわかった。あまり気分のいいものではない。