最近ここ数年の部門業績をまとめる機会があって、改めて5〜6年前の数字のひどさに気付いた。もしかしたら今まで見て見ぬふりをしていて、ようやくここにきて落ち着いて昔のことを振り返ることができるようになってきたということかもしれない。我ながらどうやってくぐり抜けてきたのだろうと不思議に思うくらいの、絶望的な状況であった。
思い返してみれば、毎月の給与支払日を迎える度に、あぁ今月もちゃんと給与が出たんだ、と安心するレベルだった。実態がどれほどのものかはともかく、大げさではなくそう思っていた。当時は特段会社全体の数字を意識することもなかったし、とにかく目の前の、自分の担当の業務でしっかりキャッシュを生み出すことにだけ専念していたが、それがかえって僕自身にとっては良かったのだと思う。もし全体の数字をコントロールする立場だったならば、精神的なダメージとプレッシャーで僕だって潰れていたかもしれない。
人間、のど元過ぎればなんとやらで、たったの数年で当時のことをいともたやすく忘れそうになっている。思い出したくもないことではあるのだが、生き残った者として、あの頃の記憶や感情は絶対に覚えておかなければならないのだと思う。