ワイシャツが肌にべったりとくっついている。きょうの最高気温は34度まで上がったようだ。額から流れ落ちる汗をぬぐうことはできても、背中をどんどん流れていく汗は拭き取れない。
ワイシャツにスラックスであることを気にしなければ汗をかくのは気持ちいい。汗をかくほどに余計なものが排出されて身体が軽くなっていくのを感じる。ただ、人前に出ることを考えると汗をひかせなければならない。銀行のATM出張所に避難して、背中に張り付いたワイシャツをはがして乾かそうと試みる。出張所の天井からは、充分に冷やされた空気がリズムよく吐き出されて、一気に身体と衣類から水分を奪っていく。首から上だけはしっかりと汗を拭いていたので、風邪をひきそうな悪い予感はしない。
汗を乾かして外に出ると、柔らかく温(ぬく)もった空気が身体を包む感覚に陥る。湿度が高ければもわっとした不快感も感じるのだが、きょうの空気はそこまで水分は含んでいないようだ。
夜になって屋根を叩きつけるようなスコールが2度襲ってくると、一気に空気が入れ替わって涼しくなる。帰り道にスコールにかち合うのは災難だが、家でスコールを眺めて、雨上がりに外に出てみるのは至福の時間だ。スコールがよく降るようになってから、前よりも夏がずっと好きになったように思う。