焼肉。

子どもの頃のごちそうと言えば、月に1,2回日曜の夜に食べる焼肉(鉄板焼と呼んでいた)だった。ホットプレートにバターを溶かして肉を焼く。あれは何だったのだろうか。ロースでもない、カルビでもない、プレーンな形、味の肉。18歳くらいまで牛肉と言えばあの肉しか食べたことがないように記憶している。もちろんタンやホルモンも初めて食べたのは成人してからだった。

お米は茶碗に盛って食べるのではなく梅おにぎりにして味付け海苔を巻いて食べる。小さい頃はおにぎりを握るのを手伝うことも多かったように覚えている。肉だけでなく野菜も焼くのだが、なぜかこんにゃくとポークビッツも焼く。ポークビッツの表面がカリカリになるくらいに焼いて焼肉のタレで食べるのがこれまた美味いのだ。

これまたなぜかわからないのだが、焼肉の時はお茶の代わりにすりおろしりんごを飲む。あの飲みものは今も存在しているのだろうか。単なるジュースとは違う、子どもにとっては大人の世界の入り口のような飲みもの(所詮ジュースなのだが笑)だった。ビールもちょっと口をつけてみたが、やけに苦くて全く美味しいとは思えなかった。

とまぁ焼肉の記憶の端緒を思い出したのは、今週5回焼肉を食べたのが原因だ。昼2回に夜3回。重なる時は重なるものだ。それでも喜んで食べられるのは、幼い頃の団らんの記憶の効果だろうか。