変化。

先日、会社の先輩と久しぶりに会った。夕方前に待ち合わせて、喫茶店でコーヒーを飲んで、軽くドライブに連れていってもらって暮れどきには散会となった。3時間くらい、話すことは尽きなかった。特定の誰かとこれだけしゃべり倒したのはとても久しぶりのことに思えた。

★★★

ワタミの2014年3月期決算が大幅に下方修正され、上場後発の赤字となるようだ。ワタミと言えばここ数年ブラック企業の代名詞のように言われ、風評によるブランドイメージの低下も激しいと思われるのだが、そもそもワタミに限らず居酒屋という業態が袋小路に入っているように思う。

正直言ってもう飲み会が好きでなくなった。気心の知れた人たちで少人数で飲む、というのは好きではあるけれど、それとてお酒が欠かせないというわけではない。お酒それ自体を楽しむという目的でもなければ、好んで飲みたいとも思わなくなった。

居酒屋には、読まなければならない空気が多すぎる。オーダーからはじまって、グラスの残り、話題の選択まで。なおかつ途中で席を立って帰るなどということもやりにくい。とにかく制約が多すぎる。これで話が面白かったり、飲み会を通じてなにか聞き出したいことでもあれば良いのだが、そうでなければ辛い。新入社員でもないし、そういったことにはもう疲れた。かといって今の新入社員も別に飲み会が好きそうには思えないが。飲み会の姿はこれからどうなっていくのだろう。

昔は飲み会が好きだった。お酒を飲んでいい気分になって、なにも考えずに騒ぐのは気持ちよかった。今もお酒を飲んでいい気分になることはあるが、なにも考えずにいるわけにはいかなくなった。まっさらだったキャンバスにいろんな色が塗られていったがために、なにも考えずに騒ぐことが怖くなった。お酒を飲みながら理性を保つのは、アクセルとブレーキを同時に踏むようなもので疲れる。ブレーキを踏まずにお酒を飲めばセレンディピティのようなひらめきや楽しい会話にぶち当たることもあるのだが、それ以上に悪い方向に飛び火することを恐れるようになってしまった。

★★★

自分がそうだからということと結びつけるわけではないが、居酒屋業態の失速は、みながより自由に食べたり飲んだりすることを志向する流れに影響されているのだと思う。この業態は人手不足とあいまって危機の淵に立たされているが、だからこそ大手からも新しいイノベーションが出てくることを期待したいし、新しいイノベーションが出てくるためにはどんな土壌が必要か、ということも考えている。