スキーについて、意識と感覚。
白馬に滑りに行ってきた。今年は白馬コルチナへ。ホテルがゲレンデのすぐそばに建っており便がよい。ホテル自体は外観のエキセントリックさに比べると中は多少くたびれた感もあるが、特に不便を感じるほどではないし、食事もそれなりによかった。去年泊まったホテル白馬も良かったが、ゲレンデへはシャトルバスに30分ほど揺られてやっと到達する、ということを考えると、トータルでみれば今年のほうが良かったように思う。コルチナ自体は、リフト待ちもなくゲレンデも混雑おらず快適に滑ることができた。ゲレンデ自体が少し奥まったところにあるからか、去年白馬岩岳でよく見かけたオーストラリアの人たちもあまり多くなく、全体の1〜2割程度というところか。特にナイターとなると、広いメインゲレンデを滑っているのは20人ほどになり、貸切状態で思う存分滑ることができた。
★★★
ということで去年に引き続いてのスキー。もうあんまり上手くなることもないので、林間コースや中級程度のコースを淡々と滑る。
スキーもスノボもそうだが、一定以上の傾斜のある斜面になると、途中で止まる判断をするということはたいてい良くない結果を招く。滑りがしっくりこないからと途中で止まったところで、斜度のきついところでリスタートするのは相当難しくなるからだ。だからこそ、少々滑りに違和感を感じていたり、怖さがあったとしても、なんとか平坦なところでひと息つくまで、滑るのをやめない方が良い。そうやって腹をくくって滑っているうちに、自然に滑りが良くなってきたりもする。
スキーやスノボの習熟過程は面白い。最初は、基礎となる動きがこなせるように意識して身体を動かそうとする。子ども向けのレッスンならば、擬音やたとえを利用して理解しやすいようにする。そうして、意識通りに身体を操れるように訓練するのだが、これが一定のレベルを超えると、意識しなくとも身体が自然に反応するようになることを目指すのだ。いったん意識しながら身に付けたことを、今度は意識せずともやれるようになる、という一見矛盾したステップを踏むのだ。このステップはスポーツ全てにあてはまるだろうが、特にスキーやスノボにはこの傾向は強いと思う。
いったん走り始めたら、むやみに途中で止まらず走り続ける。わざわざ身に付けたことを捨てて、意識せずとも感覚で身体を動かせるようになるべく訓練する。自分の感覚を信じて、難しそうなところにも突っ込んでみる。いろんなエッセンスの詰まっているスポーツだと思う。
あとやっぱり、雪に包まれた山並みは美しい。滑るだけでなくて登りに行きたいもんだなぁとも改めて。