それぞれの持ち場。

昨夜は久しぶりにビアガーデン。そもそもビアガーデンという言葉自体死語じゃなかろうかという話は置いといて、夜風が気持ちいい季節だ。夏は八芳園のテラスで飲むのもよい。

★★★

早めに仕事がひけたので名人戦第4局のBS中継を見て、その流れでプロ野球にチャンネルを移す。タイガース対マリーンズ戦で、プレーボールとともに1番打者である西岡剛が、ライトスタンドのマリーンズファンに深々と一礼して打席に入る。西岡剛が3年ぶりにマリンスタジアムに帰ってきた。

初めて彼をマリンスタジアムで見たのは2004年、プロ2年目でレギュラーとしての地位を掴みつつある頃だった。当時からひと味違う、なにかやってくれるというオーラを感じたことを覚えている。早くも2005年にブレイクしてチームの日本一に貢献、中心選手としての地位を確立させるようになった。そこからは怪我に悩まされ、若くして足を引き摺りながらプレーするシーンもよく見かけたが、2010年に再び輝きを放ち、二度目の日本一を手土産に、「若いうちに挑戦して、日本人内野手の評価を上げたい」の言葉を残し、メジャーリーグへと旅立った。しかしながらまたもや怪我に悩み、メジャーの野球にも適応できず、2年で日本に帰ってくることになる。

タイガースに復帰した彼は、メジャーでの汚名を返上するかのように好成績を残してチームを牽引している。内心忸怩たる思いはもちろんあるだろうが、その思いをうまく力に変えてプレーしている。チームは変わっても、元気でやっている姿を見るのは嬉しいし、スタンドのファンも同じ思いだったことだろう。弾道だけで彼のものとわかる打球が幾度かスタジアムを舞い、駆け出しの頃を思い出させるセカンドでの守備につく姿が見られた。

夕食を摂ったり、お風呂に入ったりを挟みつつゲームを見続ける。7回裏、タイガースリードの展開で、ゴーグルをかけた懐かしい顔がマウンドに。タイガースの3人目の投手加藤康介である。2000年ドラフト2位でマリーンズに入団し、最初の2年間は主力投手として貴重な働きを見せてくれた。3年目からは持病の悪化などで思うように結果を残せず、もはやこれまでかと思わさせられたが、バファローズベイスターズを渡り歩き、4球団目のタイガース、12年目の昨年に中継ぎ投手として見事な成績を残し復活を遂げた。そして今夜ここに、凱旋してきたと言ってあげてもいいだろう。

9回裏、微笑みをたたえてタイガースのストッパーがマウンドに上がる。マリーンズ2004年ドラフト1位の久保康友である。2005年新人王を取った活躍は言わずもがな。タイガースに移ってからも先発として、今年からは藤川球児の抜けたストッパーを務めている。

久保がリードを守り切れず、試合は延長戦に突入。18時15分に始まったゲームが終わったのは23時27分のこと。交流戦はいろんな意味で目が離せないのだ。