神の子どもらは美奈踊る。

GW明けの一週間は瞬く間に過ぎ去った。何というかリズムが悪く、久しぶりに毎日をこなすので精いっぱいの状態だった。リズムが悪いと文章もさっぱり書けなくなる。来週からは少しは落ち着くだろうか。五月病とは違うのだろうけど、電車に冷房が入りはじめるこの時期はきまって気分がすぐれない。徐々に寒くなる気候に慣れるのは得意だが、徐々に暑くなる気候に慣れるのは苦手だ。暑さが苦手というよりは、空調が苦手なのである。空調は体調を崩すというよりも、メンタルにマイナスの効果をもたらすように思う。明けて土曜の朝、自然な冷え込みとしとしとと降る雨が気持ちいい。オーバーヒートした頭を冷やすように、惰眠を貪る。しっかり寝て悪いリズムをしっかり断ち切らないと、いつまで経っても悪循環で、余計に効率が悪くなる。

★★★

ビッグダディの奥さんが書いた本を読んだ。

ハダカの美奈子

ハダカの美奈子

テレビのシリーズは前回で一区切りなのだろうか。途中からは毎回欠かさず見るようになった。面白おかしく見るというよりは、引き込まれるものがあって見てしまった。美奈子さんが僕と同い年だというのが一番の理由だ。彼女が何を思い、どうやって生きていこうとしているのか、純粋に興味をひかれるのだ。たとえヤラセだとしても、ヤラセを演じる姿や、それを受け入れる内面を見たくなるのだ。単純にバカだなーと思って見ている人も、そう言葉に出している人も、心のどこかで引っかかるものがあるんじゃないか、そう思う。

はっきり言って本の内容はテレビのシリーズよりも壮絶である。ヤラセだとかヤラセでないとか、そんな議論が吹っ飛んでしまうレベル、というかテレビではまず放送できない内容である。ビッグダディシリーズから始まって、ついにここまで昇華したか、という感がある。

自分ならば逃げ出したくなる、人生をリセットしてしまいたくなるような出来事の連続のなかで、それでも、傍目には飄々と生きていくように見える彼女の姿に、すがすがしさすら感じる。もちろん、彼女も鈍感なわけではなく、それぞれの出来事に対して喜怒哀楽を持つのだろう。でも、それらの気持ちにいちいち浸かっている余裕がない。もしくは、いちいち浸かっていたら心が壊れてしまう。そんななかで、飄々とやり過ごす術を自然に身につけたのだろう。

タイトルの通り、この本では自分の内面までもさらけ出してハダカになっている。背に腹は変えられない事情もあるのだろうが、ここまで来ると神々しさすら感じる。自分を解き放つほど、人は神性を帯びるようになる。それは自分が望むと望まずに関係なくそうなる。神の踊る姿を見たいから、視聴率は跳ね上がり、本も売れるのだろう、僕はそう思う。