バブルの悩みとゆくすえ。

バブルの雰囲気である。

実際にどこまで続くのかはわからないが、既にバブルの雰囲気が漂っている。

株がどこまで上がるか、不動産市況が良くなるか、それはわからないが、マーケットのリスクに対する感覚が麻痺しているように思う。

カネ余りの状態になれば、行き場を失ったカネはよりリスクを求めるようになる。というか、よりリスクを取らなければリターンが得られないようになる。にもかかわらず、実際よりもリスクが小さくなっているように、誰でも儲かるかのように錯覚させられる。うまくリターンを得て売り抜けられる人もいれば、とんでもないものを高値づかみして痛い目を見る人もいるだろう。

まだ大丈夫だと思って目をつぶってリスクを取る。そして目を開けてあぁ良かったと胸を撫で下ろす。もしくは青ざめる。自分のカネならばそれでいいのだろうが、企業の判断としてリスクを取るとなると難しい(あぁダメでしたで済まないわけでもないが、自分だけの利害ではなくなる、という意味で)。だからバブルかなと思われる時はむやみに手を出さずその雰囲気が過ぎ去るまで待つ、というのもひとつのやり方である。不況の時にじっと耐える、というのはよく言われるが、バブルの時にじっと耐える、ということもある。しかしながらじっとしているだけじゃゴハンは食べられない、どこかで収益を上げなければならないのが悩みどころでもあるのだが。。ある意味で1番難しく、目利き、腕の優劣がはっきりと見える局面だと思う。平時に目の前の案件が必要なリスクに対するリターンをもたらしてくれるか判断できたことを、バブルの時に同じように判断できるだろうか。個人の問題ならバブルが過ぎ去るのを寝て待てばいい、という考え方もできるが、毎年毎年収益を上げなければならない、もしくは予算を消化しなけらばならない立場であれば、非常に難しいかじ取りを迫られることになる。

バブルである時間はあっという間に過ぎ去る。しかしながらバブルの時に失敗してしまったことを後始末するには、たいていはるかに長い時間を必要とする。ここ20年で日本はそのことを身をもって体感してきた。

ここから先のシナリオについては個人的には少々悲観的にみている。予想していたよりも未来は早く回転していくように思う。そして、もし傷を負うことがあるのならば、やっぱりその傷を癒すには相応の時間を要するしかないのだと思う。いろんな未来を見てみたいが、いかんせん時間がない。そしてまたありがたいことに僕らはまたひとつ年を取る。