ゲームのはじまり。

きのうは長野に出張。標高1,000メートルを超えるとクーラーいらずの爽やかな空気。湾岸に高層ビルが建ち並び、海風が入ってこなくなったことで年々暑さがひどくなっている東京(それでも名古屋や大阪などよりかはいくぶん暑さがマシなのだが)このところの暑さに慣れた身体には肌寒く感じるほどである。地球はこれから寒冷期に入るという説もあるが、ここ数年の猛暑が定着するようであれば、欧州のように長期の夏休みを取得したり、避暑地で夏を過ごす人は増えていくはずである。現在は供給過剰であぶれている高原の別荘も、徐々に見直し買いが入ってくるんではないかと密かに思ったりもする。

★★★

韓国の李明博大統領が突如として竹島に上陸するという事態がおこった。今後の日韓関係の悪化が懸念されるが、パワーゲームの観点からみると、今回の事態は日本にとってむしろまたとないチャンスのように見える。

任期満了を直前としてのこの強硬な態度は、どのような事情によるものなのだろうか。個人的には、韓国国内の経済状態の悪化が予想以上に深刻化しているのではないかと考えている。韓国は1997年以降の通貨危機を経ていち早くグローバル経済に順応すべくドラスティックな経済改革が行われ、サムスン現代自動車に代表されるように世界経済で一定の存在感を占めるまでに復活を遂げた。しかしながら無理なペースで改革を進めてきた副作用として、国内の中小企業は日本以上に痛めつけられてその数を減らし、日本と比べれば内需も格段に弱く、結果として新卒就職の現場は日本よりもはるかに厳しい状況が続いている。少子高齢化についても日本を上回るペースで進みつつあり、さまざまな面において、人々の暮らし向きは日本よりも苦しくなっているように見える。そのような状況で蓄積した国民の不満を外に向けるという意味もあって、今回の行動は起こされたのではないだろうか。

今回の行動は、国際社会において、日韓に領土問題が存在していることを再認識してもらう絶好の機会になったはずだ。国際世論を味方につけるべく、政府は舵取りをしていく必要がある。とともに、なぜ韓国がこのような行動をおこすに至ったか、その真相に迫っていくことで、今後の韓国との付き合い方を導き出すことができるだろう。

オリンピックでも日韓戦が立て続けに行われる。もちろんスポーツと政治は完全に切り離して考えるべきものではあるけれど、日韓戦で盛り上がる韓国国民の姿をみれば、ナショナリズムについていやがおうにも考えさせられることになるだろう。ナショナリズムレイシズムに関するヘイトスピーチについても、もやもやと考えていることがあるので、改めてこれから1〜2日の動向もふまえて書いてみたい。