陣馬山登山。

陣馬山から裏高尾へ縦走。雲ひとつない快晴。高尾駅からバスで和田峠に向かう道を進む。途中で夕焼け小焼けというバス停を通る。日本全国で夕方に流れるかの童謡の発祥の地だとか。というわけで八王子駅の発車メロディも「夕焼小焼」の歌が使われているのだなぁと納得。童謡の歌詞そのままに緑豊かな田舎の風景が広がる。沿道の民家にも、昭和からそのまま掲げられっぱなしになっているような、高利貸や軟膏やビールの看板が見える。

終点の陣場高原下バス停から、しばらくは林道を歩く。清流沿いに高度を上げて、やがて登山道に入る。いきなり急な登りが続いて汗が噴き出す。一区切りつけて休憩したところで、虫取り網でカエデの葉を採集している人に会う。懐石料理に添えて出すのか、そのまま天ぷらにするのか。

バス停から1時間15分くらいであっけなく陣馬山頂上に到着。広々とした山頂で、富士山から丹沢、南アルプスから秩父山系まで連なる山々が見える。陣馬山という名称は、武田氏が北条氏を攻める際に陣地を張ったことに由来する、という。なるほど、八王子方面の街もよく見える。とにかく眺めがいい。陣馬山に限らず、自転車ヒルクライムのメッカであり丹沢山系への登山の起点のひとつとなるヤビツ峠も、武田氏と北条氏の戦いの際に使われた矢櫃が大量に発見されたことが由来だそうで、このあたりの地形はことごとく歴史と結びついていて面白い。

お昼を食べて、山頂小屋を切り盛りしている夫婦の息子たちと遊んだり、日向で昼寝していたらいつの間にか1時間近く経っていたので、再出発。ここからは高尾方面へ尾根を歩いていく。尾根を歩くと言っても、びっしりと植林されているので眺望は望めない。その代わりに、日差しは届かないし、マイナスイオンがたっぷり出ていて気持ちいい。

陣馬山から、明王峠、堂所山と通って、2時間弱で景信山まで歩く。細かくアップダウンはあるものの、歩きやすい道が続き、トレイルランをしている人も多い。景信山からはまたも東京の街がよく見える。少し休憩をしてから、裏高尾まで一気に下りていく。山に登るのも好きだけど、下る時にどんどん空気が密度を増し、木々の息づかいが温かく感じられる感覚が好きだ。

小仏峠を下りてくると里道に出る。やけに美味しそうに見える喫茶店や美味しそうな豆腐屋を横目に見ながら、高尾駅に戻ってくる。アップダウンはきつくないものの距離を踏めたので、来月の乗鞍マラソンや夏以降のシーズンに向けていい足慣らしになった。