3月11日と株式投資。

去年の3月11日は健康診断の日だった。僕は採血が大の苦手で、健康診断は個人的には大イベントなのである。奇しくも昨年3月9日のブログでは三大苦手なものとして「採血・地震・ジェットコースター」を挙げている。午前中、脂汗をたっぷりかきながら健康診断を終えてひと心地ついたころ、オフィスを揺れが襲った。

地震は苦手であるが、揺れている最中は案外冷静なものだ。オフィスのビル自体が重厚な造りでもあり、阪神大震災の時と比べても揺れは感じなかったので、どこか冷静な自分もいた。とともに、『来るべき時がきたか』とも思った。

揺れが収まったが、情報収集に夢中で仕事どころではない。そのうちに先日のブログを読んでいたであろう友人から「早くジェットコースター乗りに行ったほうが良いよ!」なんてメールが入ってくる。なんとのんきな・・と苦笑いしていたら、アルジャジーラのトップサイトに、仙台平野、田んぼの上を家も車も巻き込んで進む津波の動画が映し出された。一気に、これはただごとではないと感じた。そのうちに、カメラは小名浜に切り替わり、何百台と停められた車がまとめて海にひきずり落ちていく映像が映し出された。日本の領土が海に飲み込まれ、人の命と国富が失われていく姿に血の気がひいた。

その後自宅に帰り着くまでの顛末は、震災後の初エントリである、
http://d.hatena.ne.jp/ats1109/20110313/1299980581
の記事にまとめられている。東京都心はそれほど寒くはない夜で、路上に椅子を出して営業してる個人営業の飲食店と、対照的に店を閉めて真っ暗のファーストフードチェーン、棚はガラガラながらがんばって店を空けるコンビ二のコントラストは印象的だった。

週末は、じりじりした気持ちながらも、いろいろな情報収集をしていた。ネガティブな情報ばかり仕入れていても気が滅入るので、散歩したり、大好きな銭湯でリラックスしたりしていた。動揺する東京市場のなかでしきりに、今がチャンスだ、今こそ株を買いまくれなんてことをよくtweetしていた。株式投資というのが、未来の社会がきっとよくなることを信じて行われるのであれば、ベットのタイミングとしてこれ以上の機会はないだろうと考えていた。リスクを省みず市場に(企業に)資金を供給すれば、必ずいつかそのリスクに見合うリターンは返ってくると信じていた。というか、信じざるを得ない心理状況だった。

震災と円高の逆風を通り抜けて、3月9日ときょう、日経平均はザラ場で10,000円を回復し、震災直前の水準に急接近してきた、と言うのはこじつけでしかないが、世界はそれでも良い方向へ向かっているとこれからも信じていきたい。