メモ:ひふみサロン

田村耕太郎さんのひふみサロンはこれで三回目。例によって箇条書きでまとめる。

■2012年は世界各国で首脳が交代。なかでも中国に注目。2003年に胡錦濤が主席に就任した際に中国はGDP世界第6位であったが、この10年で世界第2位にまで浮上。さらにこれからの10年でGDP世界一となることが確実視されている。
■年頭からここまでは世界経済は想定以上に堅調に推移。特に企業がグローバル化に完全に舵を切った年となるだろう。一方で、雇用なき経済成長の姿が鮮明になっている(例:facebookのように、少数で圧倒的なパフォーマンスを出す企業が増えている)。今後10〜20年で3Dコピー機、自動掃除機(ルンバがより進化したもの)、自動翻訳機、自動運転の車などが普及期に入り、さらに雇用が失われていく。自分がどれだけ社会に価値を提供できるか、テクノロジーで代替できない強みを持つことができるか、が重要になってくる。このような時代において、北欧型の教育(5年で職を変えていくことを前提に、新しい知識やスキルを身に付けるための生涯学習の仕組みを備えている)
■日本についてはこれから数十年で人口構造が大きく変わっていく。人口、なかでも子どもと生産年齢人口が激減する。既に現在の鳥取県の姿は数十年後の日本全体を先取りしている。子育てしながら、働いて、介護もしなければならない人たちが急増し、精神疾患にかかる人が増えている。フランスなどは19世紀から先の人口減少社会を見据えて少子化対策に取り組んできた。中国も一人っ子政策を終了させた。日本だけが抜本的な対策を採ることができていない。解決方法としては移民しかない。EUが経済の弱い周縁国を抱えてまで拡大を続けるのは、若い労働力を常に吸収するためでもある。欧米各国では既に赤ちゃんで多い名前はアラブ系やヒスパニック系になっている。
■日本はアジアと一体化して進んでいくしかない。幸いにも日本人はアジアでは非常に好かれている。リタイア後を東南アジアで過ごしたり、アジアの若者をもっと国内で受け入れるべきである。学生のうちに留学や旅などでアジアにどっぷりとつかっておくべき。大学についても秋入学の議論を含めてもっとスピード感が必要。立命館APU国際教養大学など、グローバル化に舵を切っている大学は既にめざましい就職実績をあげている。なおかつ、初等教育の段階からインターナショナルスクールや海外留学をさせる富裕層の子どもが非常に増えている。
■ものづくりにしてもサービス業にしても、日本人のレベルは世界でも有数。今の若い企業家はずっと不景気ななかで育ってきたせいかデフレ型のビジネスモデルしか築けていない。日本人の能力はどんどん質を高めて価格も上げていくインフレモデルに向いている。

あっという間の2時間でした!