フィリピン覚え書き2。
タガイタイで一夜を過ごして、翌日はローカルのジプニーとバスを乗り継いでプエルトガレラに向かう。朝になると南側には湖と火山の風景が広がり、ようやくここが避暑&観光地であるということがわかる。
ジプニーは東南アジアでよくみかける、トラックの荷台を改造したミニバスのような乗り物。タイで言うところのソンテウに近い。トラックの側面に▽▽⇆△△などの地名や通りの名前が書かれていて、どのあたりを走るのかわかるようになっている。たいていは混んでいるが、荷台に飛び乗って行きたい場所を叫びさえすれば、ドライバーへ伝言してもらっていくら払えばよいのか教えてもらえるし、運賃も隣の人に渡せばドライバーのところまでリレーしてくれる。ドライバーは指の間にびっしりと紙幣を挟みながらハンドルを回している。
バスはしっかりとした観光バスのようなもので、携帯電話のような機器からチケットを印字してくれる。バンコクのバス車掌のように特殊な筒を持っているわけでもなく、こちらはかなりシステム化されている。もっともジプニーもバスも制服などはなくみなTシャツにてろてろのジーンズを穿いているのだが。
タガイタイからルソン島の南海岸沿いをぐるっと回って、プエルトガレラまでのボートが出るバタンガスという港に着く。バタンガスの町から港まではトライシクルに乗ってボラれかけ、港でも勝手に兄ちゃんが出てきて俺がチケットを買ってやるといきなり出てきて、チップをせびられたりしたが、昔と違って僕もあまり流れに抵抗しないようになった。フィリピンではレストランやホテルでチップをあげる機会が多かったが、僕も少しはチップのあげかたが上手になったのかもしれない。
プエルトガレラまでは屋形船のような小さいボートで1時間と少し。ルソン島とミンドロ島の間の海峡を抜けていくのだが、けっこう潮の流れが速いらしく、意外に揺れる。この揺れが嫌で、ミンドロ島のもう少し南部にあるカラパンという別の町まで行くフェリーを選択する人も多いらしい。日本人がフィリピンでリゾートに行くとすればみなマニラから国内線に乗り換えてセブやボラカイに行っちゃうだろうから、予想通り日本人なんて見かけない。マニラ出発以来6日間くらい日本人とは会わなかった。僕はなんとなく旅行先では日本人と会いたくないと思っているので、それはそれでよかったけれども。
プエルトガレラに着岸して、トライシクルで予約しておいたホテルまで向かう。想像していた通りこじんまりとした町で、のんびりと過ごせそうだ。南国特有の匂いが漂ってきたと思ったら、ざっとスコールが降り出してきて、僕は内心にんまりとしている。