自然災害との向き合い方。

10月に入って少し落ち着くかと思った仕事が想像以上にまだまだ落ち着いていなくて、久しぶりに弱音でも吐きそうな状態。今まで膠着化していた案件が突然動き出したり、被災地の案件がいきなり火を噴いたりと、なかなかのほほんと仕事していられるような状態でもなくなってきた。本当に落ち着けるのはあと1ヶ月くらい先になるだろうか。。

★★★

タイの洪水は予断を許さない状況が続いている。一説によると国土の3分の1が水に浸かっているとかで、まさにバングラデシュのような状態。日系企業が多く進出しているバンコク北部にあるいくつかの工業団地も、世界遺産として有名なアユタヤも水に浸かってしまっている。タイといえば雨季には洪水がおこり、バンコク市内もしばしば数十センチほど浸水するとは聞いていたし、洪水が起こっているということは8月頃から少しずつ報道されてはいたが、ここ1週間くらいは想定外の事態が続いているようだ。水が引くのに1ヶ月以上かかると言われている地域も多い。日系企業の工場(改めて、日本から進出している企業の多さに気付かされる)が操業停止することも痛いが、タイの人たちにとって死活問題とでもいうべき食料品の供給は大丈夫なのだろうか。既にバンコク市内でも食材の調達が困難になり営業を停止している外食店も出てきているという。また、洪水がこれだけ報道されると、タイ経済の柱のひとつである観光業界への影響も相当なものになるだろう。

僕はタイに都合6度ほど行っているけど、今まで一度も嫌な思いをしたことがないし、本当にタイの人は親日的だと思う。タイ米の輸入で(あの時日本はタイ米をぞんざいに扱うという大変失礼なことをしている、と僕は思っている)、大震災の支援でお世話になった日本が恩返しをする時だと思う。

洪水被害の写真報道を見ていて感じるのは、洪水自体はもちろん苦難ではあるけれども、タイの人たちは洪水を楽しんでいるところすらある。ペットボトルで舟を作って浮かべてみたり、プラスチックの椅子を足にくくりつけて下駄代わりに使ってみたり、臨機応変に知恵を絞って、どんな状況でも楽しみながら生きていくことに、タイの人たちは世界で一番長けているように思う。もちろん楽しいことばかりではないのだろうけど、これも自然災害に立ち向かうひとつの姿勢のように感じる。タイの人たちはしなやかで強い。