藤沢 実果 (mika_fujisawa) さん帰国報告会。

藤沢 実果 (mika_fujisawa) さんの世界一周帰国報告会に参加してきた。藤沢さんをtwitterで見つけてフォローしたのはいつの頃だったか忘れてしまったけど、旅の内容そのものよりも、ものごとに対する捉え方、文章での表現の仕方、周りを巻き込んでものごとを成し遂げているさま(なかなか僕自身が苦手としていること)に興味を覚えて、彼女の旅のつぶやきを追っていた。その流れで昨日の報告会にも行ってみた。

藤沢さんは「140文字で世界を変える」と題して、ソーシャルメディアを活用して世界の人々の夢を叶えることをコンセプトに、南米、アフリカ、アジアのさまざまな国でプロジェクト、ボランティアに参加しながら旅を続けた人だ。報告会ではそれぞれの国で感じたことや印象に残ったエピソードを聴くことができた。twitterで学校で授業をするボランティアを募集したり、難民キャンプの団体のfacebookページを作ったり、マイクロローンを活用して開業を支援したり、Webを活用して美術作品を販売したり、、それぞれの事例はソーシャルメディアの持つ可能性を充分に感じさせられるものだった。ただ、ソーシャルメディアが生まれたからそれだけで新しい価値が生み出されるのではなくて、ソーシャルメディアの使い手当人がどういう想いを載せて活用するのか、どうやって周りの人を巻き込んでいくのか、という点が一番大切なのかな、ということを藤沢さんの語りを通じて改めて感じた。事例自体は目新しいものでなくても、使い手がどのようにデザインして扱うかによって、それらひとつひとつの事例は改めて輝きを持つのだと思う。ものごとを当たり前だと思って流すのでなくて、ひとつひとつにいちいち感動を覚えること、驚きや疑問を感じることが、新しい一歩を踏み出す出発点となると感じた。その出発点を具体的に目に見える価値に結びつけるパワーを持っているのが、藤沢さんの素敵なところなんだと思う。ただ、これは才能というよりは気持ちの持ちかた次第なのだとも思う。

基本的に僕のスタンスとして、ソーシャルメディアを通じて社会を変える動きはまだまだ本流ではないと思うし、これからもけっして本流にはなり得ないと考えている。ただ、本流自身にはなり得なくても、流れを変える存在としてのポテンシャルは充分にあると思う。今年の春にエジプトで起こったことも、つい最近にロンドンで起こったことも、それぞれソーシャルメディアが発端となった通りに、ソーシャルメディアはものごとをいい方向にも悪い方向にも流れを変えうる力を既に付けている。ソーシャルメディアがどんどん影響力を強めていくことで、扱い手ひとりひとりの向き合い方がその人の人生をもデザインするようになっていくのではないかな、と思う。