マーケットの現状まとめ及びこれからの見通し。

すわリーマンショックの再来か、という程に世界株安が止まらない。とうとうワイドショーでも大きく採り上げられはじめた、と思ったら、格付け会社って何?という話題から、格付け会社はどんなビルに入っているのか、とか格付け会社で働く人の平均年収はどのくらいか、とか。。テレビって誰向けにこれを放送してるんですかね、と暗澹たる気持ちになる。

円高も止まらない。76円台が当たり前の水準になろうとしている。つい一年前に90円から84円まで一気に円高が進んだ時に菅さんが、「95円くらいが望ましいと経済界からは聞いている」と発言していたのが遠い昔のようだ。かといって円安誘導もできない。先週の為替介入でいったん80円に戻しただけで、NYダウは暴落した。円安になれば米国の景気は完全に腰折れする。どうやらトレンド転換するまでは日本の輸出企業が耐えなければならないようだ。これまたワイドショーでは協調介入して円安に誘導しなければならないなどと言っていたが、日本より状態の悪い米欧が日本のために円安ドル高、円安ユーロ高を容認することなどあり得ないことだと、少し考えればわかることだろう。

その通り、日本の株価はここ1週間の下げに対しても比較的底堅い動きをしている。きょうの値動きを見ていても、底のところでかなりの買いが入っている。独立系各社の投資信託にもきのう今日でかなりの資金流入があったようだ。長期投資を考えている人にとって、こういう局面は買い増すための千載一遇のチャンス。僕も本当ならば買いたいのだけど指をくわえて見逃さざるを得ない。当分円高局面が続くことによって輸出企業の業績悪化は心配されるけれども、目先は完全に売られすぎである。突発的な要因がなければ、明日以降は戻り基調になっていく。

米国債の格下げがさも今回の世界同時株安の原因かのように言われているが、欧州が一番深刻なように見える。日米欧どこも財政問題で苦しんでいるが、欧州は既にかなり税率が高く、財政改善の余地に乏しいように見える。欧州各国の足並みもいまいち揃っておらず、問題は根深い。

逆に格下げされた米国債および日本国債は明らかに買われすぎである。格下げされた米国債に資金が大きく流入しているとは皮肉なもの。ただしこれも一時的なもので、マーケットが落ち着いてくれば財政問題が意識されてきて国債価格は下落し、最終的には国際優良株に資金が戻ってくるとは考えている。希望的観測も込めて。