RENT-head!!

震災以来会社と家の行き帰りはなかなか気分が優れなくて、英語のヒアリングもしないでいたのだけど、昨日久しぶりに「RENT」の曲を聞いて、少し気分が明るくなった。

「RENT」にはじめて出会ったのは高校生の頃で、音祭という行事で上級生の人たちがステージで歌っていたのを見て格好いいなと感じたり、実際に高校の卒業式で「Seasons Of Love」を歌ったりしていたのだけど、大学に入学してから手元のCDで聴いたり、東京公演を見に行く機会があって、本格的に好きになった。なにが好きかと聞かれると説明に困るけど、劇中で登場する人物一人ひとりの感覚が自分の生きている肌感覚にどんどん迫ってきて、彼らのように生きられるんじゃないかと錯覚(時には錯覚からそのまま現実化することもあるんではなかろうか)して、すごく自分のなかに力が漲ってくるような、見ていてそんな気分になれるミュージカル。テーマがすごく重いので、高校生の頃は歌詞の意味もちゃんとわかっていなかったけど、だんだん歌詞の深みがわかるようになってきたと思う。曲を聞いていても、メロディよりは個々のフレーズが耳に残る。

あとやはり、このミュージカルが生まれるに至ったストーリーも忘れられないものだろう。もはや神格化されつつあるジョナサン・ラーソンもまた、自らの生涯を通じて、このミュージカルにメッセージを吹き込んだ、そう考えざるを得ない。いつか、ブロードウェイのネダーランダー劇場で、この作品を見てみたい。

「RENT」に教えてもらったことはたくさんある。それはすぐに形にできるなにかではなくて、これから予期しない様々な場面に出会ったときに、自然に、そこから教えてもらったことを実践しているのだろうと思う。芸術作品が受け手にもたらすインパクトというのは、案外そんなところにあるのではないだろうかと僕は思う。

大阪にいる友人と電話していて、「(最近また震災の影響で)気持ちが不安定なんじゃない?」と言われた。自分ではあまり気づかないけど、周りから見るとそうなのかもしれない。もしくは、字面に現われているのかもしれない。僕は抱え込むのが嫌いなので、こんな感じでどんどん言葉にしていくこと自体が、僕にとって精神安定剤の役割を果たしているのかもしれないと思う。こんなことを書いてると中二病っぽい。