香港のこと①。

香港のことについて少し書く。市民によるデモが、政府が推し進めようとしていた条例の改正を延期に追い込んだ。改正案の内容を読んで、空恐ろしい思いがした。


最近旅人のブログやテレビの番組などで、新疆ウイグル自治区四川省西部の風景を見る機会があった。10数年前と比べればはるかに街は綺麗で近代化されているが、なんというか、この地方がもともと持っていた風土の香りは全くといっていいほど失われていた。経済発展や豊かな生活と引き替えに失った、となれば仕方ない面もあるのだろうか。同じようなことが、チベットで、香港マカオで、台湾で、そして一帯一路と名付けられた各国で形を変えて展開されているのだろうか。


そしてこうした政策の原動力となっている大陸中国の経済の現在地点はどこにあるだろうか。さまざまな抑圧の源泉となっていた経済発展につまづきが起きれば、そこでどんなことが起こるだろうか。なにもかもが思う通りに行くはずはない、どこかで状況は反転し逆流するはずだと思っている。(明日に続く)


大地。

先週いだてんを素晴らしいと言ったばかりだったが、どっこい今週も素晴らしいものであった。ここまで圧巻の回が続くと、もうラストまで一度も見逃せない。落語パートも、これまでは早送り気味にしていたところもあったが、安易にスキップできなくなってしまった。


今回は関東大震災の回。「あまちゃん」でも東日本大震災を巧みに表現したクドカン、今回はしっかりと向き合った描写が印象的であった。災害のあとに飛び交った流言、いわば100年前の日本の暗部のようなものもきっちりと盛り込まれていて、先週のジェンダーの話に引き続きグッとくるものがあった。なんというか、近現代史はそのままいまの社会に繋がっているのだ、と思わされる。ファンタジー性のある中世史の大河もよいが、近現代史を真正面から描き切る大河はもっと評価されるべきである。


この先、大平洋戦争(幻の1940年オリンピックを含め)、終戦とその先の1964年をどう描き切るだろうか。やっぱり、2019年にこの大河があって良かった。早くもそう思わされる。

コーチ。

週の半ばは涼しい日が続いたのだが、日曜になって晴れて暑くなった。蒸すような感じはないので気持ちは良いのだが、さすがにグラウンドで野球をするとフラフラに疲れた。


暑いと子どもたちのモチベーションもさまざまである。途中で抜けて休んだり、気分が乗るときだけ練習に参加してみたり、それでもコーチたちも寛容だし、練習内容にも工夫が凝らされている。幼児から小学校低学年向けのチームとはいえ、僕の世代的にはまだまだスパルタっぽいものが残っていたので、時代はもう大きく変わったのかな、と思わせる。


球数制限、休養日の設定など、少年野球や学生野球の世界もどんどん変わってきている。今年の夏もまた、酷暑のなかで新しい問題提起がなされることだろう。未来の子どもたちにも選んでもらえるようなスポーツとして野球が進化していってほしい。おじさんもしばらくは頑張らなければならない。

寝る子は。

最近息子の眠りに堕ちるスピードがすこぶる

速い。5日連続くらいで、電気を消して数分と経たないうちに寝入ってしまっている。


もう幼稚園の預かりでも昼寝をしていない(年中さんで昼寝をする子はいないので、年少さんと寝るのが恥ずかしいらしい)うえに、放課後にスポーツ関連の習いごとが多く、土曜はスイミング、日曜は野球となると、体力的にもキツいものがあるのだろう。たまに休日に昼寝をしたときも、4時間くらい寝入ってしまうこともある。


僕と同じで睡眠時間が短いと途端に調子が悪くなるタイプでもある。思い返せば小学生のあいだはほぼ21時に寝ていたし、中学生になっても22時台には寝ていた。20代の頃は日付が変わる頃まで起きていても平気なこともあったが、30代も中盤になると体力の低下か、またもや寝る時間が早くなっている。寝る子は育つとはよく言ったもので、息子にも、睡眠だけはたっぷりと取らせて大きくなってもらいたいものである。

執着。

とにかくレゴ好きなうちの息子、一度手にブロックを掴みはじめると途中でやめられない。おかげでここ半年くらいは家の中で「早くしなさい!」と大きな声をあげることが増えてしまった。


ただ、声をあげたから手が止まる、というものでもないのである。自分がここまで作りたい、と心の中まで決めたところまでたどり着かなければ、手を離すことができないのである。物理的にやめさせようとするのは無理なので、我慢してそのタイミングがくるのを待つか、玄関で「もういくからね!」と言って急き立てるしかない。


そんなに踏ん切りよくやめられないものだろうか、と思ってふと一緒にレゴで遊んでみると、まるっきり息子と同じ思考回路になってしまう自分がいる。まごうかたなくこれは遺伝である。もしくは、レゴというおもちゃが持つ中毒性だろうか。


自分もまた同じ穴の狢だと認識してしまうと、あまりうるさく早くしろと言う気にもなれなく、生暖かく見守るのみである。休みの日もなにかと用事があるので、思いっきりレゴで遊ばせてあげられる日があまりないのはむしろ可愛そうかもしれない。

ジョージ。

毎年毎年息子の興味はころころと変わっていく。いまはおもちゃで言えば断然レゴなのだが、絵本となると「おさるのジョージ」である。図書館にある絵本を全部読んでしまい、次は英語版の絵本(こちらのほうが数が多い)を片っ端から借りてきて、これを日本語に訳して読めと言ってくる。僕も全部が全部訳せるわけではないのでかなり意訳混じりで読んであげる。


英語版を読み進めてはじめて気づいたのだが、おさるのジョージは毎回ストーリーの展開が同じである。好奇心旺盛なジョージが1人になったすきを突いていろんないたずらを仕掛けてしまい、トラブルを起こすのだが、そのたびにジョージが機転を利かせてリカバリーし、周りの人間たちを感嘆させて、ジョージは最後には褒められるのである。ジョージの能力もすごいが、周りの人間たちの寛容さにも唸らされる。


さてさてジョージに親しんだ息子はどう成長していくだろうか。ただの絵本とあなどるなかれ、子どもの成長のためのいろんなエッセンスが詰めこまれている。

大地讃頌。

鈴木大地の躍動が止まらない。今季は開幕スタメンこそ逃したものの、チーム状況に応じてサード、ショート、セカンドを守り離脱者の穴を埋めている。4月の後半からは不振で2軍落ちした井上晴哉の代わりにファーストに入り、以降は2番ファーストでスタメン出場することが増えている。さらに直近ではプロ入り初めてのレフトでの出場も経験している。


彼にとっては逆風ばかりだったシーズン当初であったが、腐ることなく自らの仕事を全うしている。今季もしファーストを中心に出場し規定打席に到達することがあれば、全て違うポジションを定位置としながらの4年連続の規定打席2016ショート2017セカンド2018サード)というなんとも珍しい記録を打ち立てることになる。それは彼がチーム事情に柔軟に対応してきたなによりの証左だ。


以前からそのリーダーシップを生かして、彼は将来の監督候補と言われてきたが、今年の働きでますますそれは盤石になったのではないだろうか。僕自身にとっても、彼の姿に今年は本当に励まされている。